とんぼがえりで全対応

ポケモン対戦のあれこれを書きます。好きなポケモンはハッサム。

【S17シングル最終222位】ハムブリランドコントロール【ポケモンSV】

はじめまして!ノムラといいます。ハッサムを相棒枠にランクマに潜ってます!
S17で最高レート&最終順位を更新できたので、構築記事を書きました。

S18からガラッと環境が変わるので、構築自体は参考にならなさそうですが……今回自己ベを出せた要因の「構築を組む際に意識したポイント」も紹介します。それらは以降シーズンでも応用できると思っているので、よければ最後まで見ていってください!!

結果

ポケモンSVシーズン17 シングル最終222位 最終レート2009
TNノムラ

コンセプト

  • サイクルで勝つ
  • スタンダードな構築に対する選出・動きを決めておく

構築経緯

相棒枠のハッサムから構築を考え始める。
上位のうち、D振りハッサムなら対ガチグマ・ハバタクカミにサイクルできると思い、ならばその他物理の有象無象と戦える持久力ブリジュラスとの組み合わせを考えた。


この2体だと、火力不足・初手出しの安定感・水ウーラオスに弱い点などが気になる。そこでアタッカー型の霊獣ランドロスを採用。威嚇+蜻蛉で初手出しが安定し、水ウーラと初手対面しても威嚇込みでブリの後出しが成立する(もし水流連打が飛んで来たら、かなりのアドバンテージ)。
当初は選出全体のS不足が気になりスカーフを持たせたが、それだとガチグマ・ブリジュラス・ウーラオスら硬い連中を突破しきれない。ならば鉢巻を試してみると使用感がよく、特にガチグマ相手にランド蜻蛉→ハッサム投げ後攻蜻蛉→ランド地震で、H振り程度のガチグマなら倒せる動きが強かった。この3体でスタン構築に安定したため、基本選出とした。

上記3体を軸に対戦を重ねる中で、以下の4点の課題が見つかる。

  1. サーフゴーがいる並びが重い
    →ブリに余裕で後投げされる・浮いてるポケモンと合わせランドの一貫を切ってくる。並びを突破できるポケモンが必要
  2. キョジオーン絡みの構築が重い
    →打点はランドの地震くらい。これもテラスや並びで一貫を切られると厳しい
  3. イーユイが重い
    →特殊受けのハッサムが炎に弱く全体的に遅いので、上から一掃される
  4. ママンボウ系統のサイクル構築が重い
    →ツツミはランドが上から叩かれ、ブーツでステロも入らずハッサムで仕留めきれない。バレルは胞子の一貫している。

1に対し、サフゴを起点に裏まで突破が狙える水テラ身代わり瞑想ハバタクカミと、サフゴの選出を抑制でき汎用的なアタッカー枠にもなるスカーフイーユイを採用。2に対しても、カミの身代わりとイーユイの高火力である程度対策。

残りの34の対策を一枠でまとめつつ、12にも抗えて、さらに汎用性もある、という贅沢な望みを叶えるポケモンを探し続けたところ、チョッキやるきコノヨザルに辿り着いた。いのちがけによる対面的な動きや、受け構築にも仕事できるのも構築の対応力を高めてくれる。この6体で構築が完成した。

 

 

単体解説

ハッサム

テラスタイプ:悪
性 格:勇敢
特 性:テクニシャン
実数値:175(236)-165(+)-123(20)-*-132(252)-66(個体値8)
持ち物:オボンのみ
技構成:バレットパンチ / とんぼがえり / はたきおとす / つるぎのまい

〈調整〉
H…16n-1
D…ぶっぱ
A…性格補正。ランド鉢巻蜻蛉+ハッサム蜻蛉+ランド鉢巻地震でH振り程度の赫月ガチグマなら倒せる
B…あまり
S…ガチグマの下、ついでにカバルドンの下から蜻蛉できるよう下降補正

相棒枠。対特殊としてはガチグマへのクッションになりつつ、疲弊後もバレパンでカミに役割を遂行できるのが唯一無二の性能だった。ランドの威嚇と合わせれば、擬似的に物理へのクッションにもなれる。

剣舞で抜きエースになる展開はほぼなかったが、持久力ブリの前で圧力をかけ吠えるorドラテを押させる→B上昇を最低限に抑えランドの地震で押し切る、といった展開には役に立った。

テラスはイダイトウ・カミのシャドボ・パオの悪技対策となる悪テラス。


ブリジュラス

テラスタイプ:フェアリー
性 格:図太い
特 性:持久力
実数値:197(252)-*-191(188+)-146(4)-91(44)-108(20)
持ち物:食べ残し
技構成:ラスターカノン / ボディプレス / 電磁波 / ステロ

〈調整〉
H…極振り
HD…C187ハバタクカミの眼鏡ムンフォ確定耐え
S…同族意識で気持ち多めに
B…余り

対物理枠。ランドの威嚇とテラスで、ほぼ全ての物理に後投げできる。後投げ後は基本電磁波を押していた。後攻ボディプと後攻電磁波→先攻ボディプも被弾回数は同じどころか、1ターン増える分残飯の回復量も増える。交代もケアできる強い一手だった。

鋼技はカイリューにDダウン込みで有用なラスカノを採用。電磁波を絡めてほぼ倒せていたが、お構いなしに積まれる展開や、電気・地面テラスで電磁波が通らない展開もあった。カイリューだけ意識するなら電磁波→ドラテ・吠えるがよいが、今回は汎用性・上振れ要素を取った。Sを気持ち振ることで、相手の妖テラ持久力ブリを倒す展開が最終日に2〜3回はあった。


ランドロス

テラスタイプ:飛行
性 格:陽気
特 性:威嚇
実数値:167(20)-193(220+)-111(4)-*-102(12)-157(252+)
持ち物:拘り鉢巻
技構成:地震 / テラバースト / 岩雪崩 / 蜻蛉返り

〈調整〉
HD…C187ハバタクカミの眼鏡ムンフォを75%で耐え
S…ぶっぱ
A…余り

本構築のエース。鉢巻は想定されにくいのか、舐めて居座ったり起点にしようとした相手を崩しまくった。スタン相手には基本初手に出し、対ガチグマにはハッサムとサイクルする動き、水ウーラ・パオにはブリを投げる動きが安定する。また処理が難しいアシレーヌにも、対ガチグマ同様の動きで再現性高く突破できた。

特に水ウーラは陽気orスカーフ以外上取っている・相手視点裏のブリが見えて水流連打を押しにくいこともあり、素引きでなく蜻蛉を押す場面もしばしあった。裏にタケルライコがいないなど、最悪上から倒されてもゲームは続く展開に限って押しており、相手もスカーフ飛行テラバとかならヤバいわけで、まあお互い様ということで…

抜群の火力と絶妙な素早さでアタッカーの役割を十二分にこなしてくれた。最終戦も選出的に厳しかったイーユイとアシレーヌをしばいて勝利。今回のMVPは君だ。

 

 

ハバタクカミ

テラスタイプ:水
性 格:臆病
特 性:こだいかっせい
実数値:145(116)-*-92(132)-178(180)-156(4)-181(76+)
持ち物:ブーストエナジー
技構成:ムーンフォース / シャドーボール / 瞑想 / 身代わり

〈調整〉
HB…身代わりが無振りキョジの塩漬けを15/16で耐える
CS…エナジーでS上昇になる範囲で、Cをできるだけ高く

第2のエース。水テラス+身代わり+瞑想でサーフゴーを起点に裏まで貫くパワーがあり、サーフゴー+カイリューといった並びには積極的に出した。

身代わりは決まれば大きく有利になる反面、相手の行動によっては徒にHPを減らすだけの行動になる。キョジを意識した耐久振りも、結局毒テラスだと役割を遂行しきれなかったり、逆に相手の速いエナジーカミに返り討ちになったりしたので、配分含め難しいポケモンだった。詰めエースにこだわりすぎず、単なる高速アタッカーやテラスを切らせる役割として柔軟に使えるようになったことで、活躍の幅が広がった。

 

イーユイ

テラスタイプ:霊
性 格:控えめ
特 性:災いの玉
実数値:131(4)-*-112(92)-199(204+)-141(4)-146(204)
持ち物:拘りスカーフ
技構成:火炎放射 / オーバーヒート / 悪の波動 / サイコキネシス

〈調整〉
HB…ステロ+特化カイリューのテラス神速を確定耐え
S…S1段階上昇最速カイリュー+1
C…余り

選出圧力が高い高速特殊アタッカー。アシレーヌや鉢巻っぽいトドロクツキをほぼ確実に呼ぶので相手の選出が読みやすい。厄介なラティの選出も抑えてくれた。ただ一番の目的だったサーフゴーの選出抑制は思ったよりも機能せず。なぜ…

少し耐久に振ったのは、コノヨ→イーユイ→テラスを残してカミに繋ぐ、対面チックな動きができるのではと思ったため。ただ生きる場面はなかったので普通にCSぶっぱでよさげ。テラスは神速を透かす・ブリと合わせて水ウーラの一貫を切る霊。

 

コノヨザル

テラスタイプ:毒
性 格:陽気
特 性:やるき
実数値:217(252)-154(36+)-104(28)-*-111(4)-134(188)
持ち物:突撃チョッキ
技構成:憤怒の拳 / ドレインパンチ / 冷凍パンチ / いのちがけ

〈調整〉
H…ぶっぱ
B…特化鉢巻水ウーラオスの水流連打を0.46%で耐え
S…準速カイリュー抜き抜き
A…余り

本構築の最後のピース。構築で重いイーユイを相手するためにチョッキ持ち。実際に初手イーユイに合わせる展開が最終日でも3〜4回あった。初手コノヨはステロを警戒されたのか、無警戒に突っ込んできたのを返り討ちにした。

ママンボウ絡みのサイクルに対しても、クイタンで憤怒が溜まる・バレルに後投げできる・ツツミに打ち合える・グライに冷パンで抗えるなど強みが多い。かついのちがけで相手の駒を強制的に減らす動きもでき汎用性があった。テラスは妖半減の中で、これまた裏のブリと合わせて水ウーラの一貫を切り、ついでに毒菱回収もできる毒テラス。

 

選出

++

・対スタン系+α()にはこの選出が安定。初手ランドVSガチグマなら蜻蛉→ハッサム、VSパオウーラならブリジュラス引き。

トドロクツキ入りの構築にもこの選出。ツキが鉢巻系なら初手に出てくるが、はたかれる覚悟で蜻蛉を押し削る。で壁を貼る系なら、隙を見てハッサムで積んだり、威嚇を繰り返し入れることで悠長に積ませない。

入りの対面構築には、ランドでラス1イダイトウを殴る想定で体力を管理できればほぼ勝てていた。

 

++or

 

のスタン系にはカミをエースに選出。ブリでステロを撒き、後投げされたサフゴをカミで起点に。ディンルーがいない&がいる構築はイーユイの方が通る。

 

+or+

入り構築には初手コノヨを合わせる。また、と組まれている構築にも初手コノヨである程度有利を取れる。

・受けループもこの選出である程度戦える。コノヨは毒菱対策に毒テラを切ったり、いのちがけで相手の残数を減らしたり。ランドの火力はにも悠長させない。ブリのステロとラスカ&ボディプの両刀打点も有用。

 

+or+

系の構築にはこの並び。などの特殊アタッカーやをコノヨでいなし、最終ママンを起点にカミで詰めていく。

 

++

・対面的に処理したい構築や、入りの構築にはイーユイを絡める。基本テラスはカミに残しておきたい。

きついポケモン

電気テラス剣舞パオジアン

+2のパオ相手に、ブリが氷柱2発をギリ耐えれるかどうかライン(そもそもギリ耐えられるのもすごいけど)。オボンで確定数をずらされたり、そもそも怯むとそのまま3タテ。臆せずランドやハッサムで削りを入れるのも重要。

クリアチャームカイリュー

ブリの電磁波・ランドの威嚇が効かずかなり厳しい。威嚇ではなく氷技誘発のためランドを出し、ブリで受けてB上昇ボディプで押し切るなどの立ち回りが必要。正直数は多くなかったので助かった。

晴れ+ウガツホムラ

頼みのブリが炎技を等倍でしか受けられない。これもランドの威嚇を絡めて何とかするしかない。

 

構築を組む際に意識したポイント

今回、構築を組む際に以下2点を意識できたのがよかったのではと思っています。

 

①よくいる『並び』に強い選出・動きを『3体で』作る

②上記3体できつい『並び』に強い選出・動きを、『別の3体で』作る

 

①は、スタン系に強いという並びと、初手ランド展開という強い動きが考えられたことです。特にサイクル構築は、自分の3体に対して相手がどの3体を選出し・どんな対面になっても試合を成立する出し方・動きが必要です。そこを詰められたのが、今回のよかった点でした。

自分はUSUMから対戦を始めましたが、この考えが馴染み始めたのはここ半年とかです。それまで「環境のポケモンに対し、誰かは誰かに勝てるような6体で組む」「選出時は、刺さってるポケモンを後出しが成立する順番で出す」が限界でした。基本選出という言葉はよく耳にしつつ、「3体でどんなポケモンにも勝とうとするなんて無理じゃね?」と思ってました。

ただその「無理じゃね?」を可能な限り形にするのが、構築では重要なようです。「選出・立ち回りが安定する」だけでなく、「その3体の対応範囲が広いため、残り3体に求める要素が少なくなり、構築の完成度が上がりやすくなる」のがポイントだと感じています。構築経緯でできつい点を4つほど挙げましたが、様々なポケモン・型がいる環境で、3体できつい点を4つにまとめられたとも言えます(細かく言えばもっとありますが)。どこまで基本選出の3体に役割を圧縮できるか、漏れた役割に対しクリティカルな3体を見つけられるかが構築を組む上で難しく、同時に考えがいがあって面白いところです。

 

 

②は、漏れた役割に対しクリティカルなポケモンを見つけても、実際に選出に組み込めて、勝てるとは限らないということです。例えばサーフゴーに強いをディンカイサフゴの並びに投げたとしても、サーフゴーを倒す前にディンルーに止められる可能性は大いに考えられます。何ならサーフゴーが選出されず腐る可能性も(そレを防ぐべく、汎用性高いスカーフイーユイを採用しましたが)。
大事なのはメタポケモン+残りの2体で、メタ対象のポケモン+2体の並びに勝てるか、です。メタポケモンを出したせいで残り2体が弱い並びになると、むしろ勝率は下がりそう。その点は一定の汎用性があり、選出に組み込んでもパワーを維持できたのがよかったです。

ただ理想は、基本選出レベルの完成度の並びを構築内に複数通り作る、ということだと思います(そんなの…無理!!)。例えば今回の選出例だと、イーユイ入りにコノヨブリランドと投げてますが、コノヨが疲弊した状態での眼鏡カミやばくね?となります。今回の構築にもまだまだまだ改善の余地がありますね。

加えて、「相手視点に立って、期待値の高い割り切り方をすること」もまだ自分はできません。コノヨブリランドの例で言うと、選出自体は眼鏡カミに弱くても、「相手視点、この構築にイーユイと眼鏡カミの両選出はできない」という構築を作れるかですね。強い人の実況を見てると、「この構築にこの型の〇〇は出せない」「相手△△が重いからxxはこの型」など選出画面で判断したりしてます。そんな視点が持てるようになったら、もう1段上のレベルに行ける気がしますが……行けるのか……?

 

おわりに

ここまで長文読んでいただいた方、本当にありがとうございました!
考えることが好きな自分にとって、ポケモン対戦は苦しくもとても面白いコンテンツです。ただそれを言語化するのはなかなか難しく……もうちょっと端的にまとめられるよう頑張ります。

S18から環境も激変しますが、変わらずハッサムを軸に強い構築を練り練りしていきたいと思います!いっしょに頑張りましょう〜〜

 

画像引用

Pokémon-Liste – PokéWiki